近年、生成AIを活用したデータ分析・レポーティングへの関心が急速に高まっています。
SAPにおけるAIを使ったデータ分析・レポーティングのアプローチとして、主に2つの方向性が考えられます。
- SAP Analytics Cloud の Joule Agent によるレポート作成・分析 ※2026年末にかけて順次リリース予定
- Joule Work を利用したオンデマンドレポーティング
SAP Analytics Cloud の Joule Agent のリリースを待たずに今すぐAIを活用したデータ分析を試したいお客様は、Joule Work Desktop からSAP Business Data Cloud(BDC)/ SAP Datasphere にアクセスすることで、オンデマンドレポーティングを実現できます。
※Joule から SAP Business Data Cloud のデータプロダクトを直接クエリする機能も今後リリース予定
ただし、現時点でJoule Work Desktop からSAP Business Data Cloud のデータにアクセスするには、MCPサーバー(Model Context Protocol Server)を利用し、SAP Datasphereにアクセスする必要があります。SAPでは、エンタープライズグレードのセキュリティ要件・ガバナンス要件を満たした形でMCPサーバーを構築するため、以下の2つの方法を推奨しています。
参考:Third Party MCP Server Access to SAP Solutions on BTP
- Joule Studio によるMCPサーバーの作成 ※リリース予定
- SAP Integration Suite によるMCPサーバーの作成(MCP Gateway機能の活用)
本ブログでは、SAP Integration Suite を使ったカスタムMCPサーバーの作成方法を作成し、Joule Work Desktop からSAP Datasphere のデータにアクセスして分析を行う手順を解説します。
Joule Work Desktop によるオンデマンドレポーティング全体像
Joule Work Desktop によるオンデマンドレポーティング利用イメージ
設定手順
設定は以下の7ステップで行います。
1. SAP Business Accelerator Hub から OpenAPI Specificationのダウンロード
2. SAP Datasphere OAuthクライアント作成
3. SAP Integration Suite で Security Material を作成
4. SAP Integration Suite で MCP サーバーを作成
5. SAP Integration Suite で MCP サーバーのバックエンド認証を設定
6. Developer Hub で MCP サーバーを公開
7. Joule Work Desktop への追加・動作確認
【システム要件】
本手順を実施するには、以下の環境・権限が必要です。
– SAP Integration Suite
- Integration Cell Runtime が「Active」状態であること
– SAP Datasphere
- OData API でアクセス可能な分析モデルが存在すること
- 管理者権限(OAuthクライアント作成用)
– SAP Joule Work Desktop(アクセス可能なユーザーアカウント)
【認証に関する注意事項】
本手順では、検証目的で Client Credentials(Technical User) による認証を使用して設定します。本番環境での利用には、API Policyの要件を満たすため SAML Bearer Assertion による認証を推奨します。SAML Bearer Assertionによる認証設定については、SAP Community Blog – Integrating with SAP Datasphere Consumption APIs using SAML Bearer Assertionを参照してください。
STEP 1 OpenAPI Specificationのダウンロード
SAP Datasphere の OData API(Consumption API)の OpenAPI Specification(JSON形式)をダウンロードします。このファイルは後のStep 4でMCPサーバーを作成する際に使用します。
手順:
1. SAP Business Accelerator Hub にアクセスします。「SAP Datasphere」を検索し、「Consumption」APIを開きます。
2. 「API Resources」セクションの「API Specification」タブから「OpenAPI JSON」のダウンロードアイコンをクリックし、JSONファイルを保存します。
STEP 2 SAP Datasphere OAuthクライアント作成
Integration SuiteのMCPサーバーがDatasphereにアクセスするための OAuth クライアントを作成します。
1. SAP Datasphere の左メニューから「セキュリティ」→「システム」→「管理」→「アプリ統合」タブを選択します。「OAuthクライアント」セクションで、Token URLをメモします。(後のStep 3で使用します)
2. 「設定済みクライアント」セクションの「+」ボタンをクリックし、新規クライアントを作成します。
3. 新規OAuthクライアントを作成します。
クライアント名を入力します(例:MCP Server )。「目的」は「技術ユーザー(Technical User)」を選択し、技術ユーザーの名称(例:Technical User for MCP Server )とMCPサーバーを利用してアクセスするスペースに対応するロールを割り当てます。
4. 「追加」ボタンからクライアント作成後、OAuthクライアントIDとシークレットを確認してメモします(Step 3で使用)。
STEP 3 SAP Integration Suite で Security Material を作成
Integration SuiteからDatasphereにアクセスするための認証情報(Security Material)を登録します。
1. Integration Cell Runtimeの確認
Security Materialの作成前に、Integration Cell Runtimeが有効化されていることを確認します。Integration Suite にログインし、左メニューから「Settings」→「Runtimes」を選択します。「Integration Cell」が「Active」状態であることを確認します。
2. Security Materialの新規作成
左メニューから「Monitor」→「Integrations and APIs」を選択します。「Manage Security」セクションの「Security Material」を開きます。
3. 右上の「Create」ボタンをクリックし、タイプとして「OAuth2 Client Credentials」を選択します。Step 2でメモした情報を入力します。
– 名前:任意(例:Datasphere_Technical_User)
– Runtime:Cloud Integration and Integration Cell
– Token Service URL:DatasphereのToken URL
– Client ID:DatasphereのClient ID
– Client Secret:DatasphereのClient Secret
入力後、「Deploy」をクリックしてデプロイします。
STEP 4 SAP Integration Suite で MCP サーバーを作成
Step 1でダウンロードしたOpenAPI Specificationを元に、MCP サーバーを作成します。
1. 左メニューの「Design」→「Integrations and APIs」を開きます。新規でIntegration Packageを作成、またはMCPサーバーを作成したいIntegration Packageを選択します(今回は新規に作成します)。
2. MCPサーバーの新規作成
Integration Package内で「Artifacts」タブから「Create」→「MCP Server」を選択します。
3. MCPサーバーの作成方法を選択する画面が表示されます。「Import from OpenAPI Specification」を選択します。
今回はStep 1でダウンロードしたDatasphereの OData APIのOpenAPI Specificationを使用します。
4. OpenAPI SpecificationのアップロードとベースURLの設定を行います。
Methodとして「Upload」を選択し、Step 1でダウンロードしたOpenAPI JSONファイルをアップロードします。
– Base URL:DatasphereのベースURLを入力します。(例:https://[テナント名].hcs.cloud.sap)
– Name:任意(例:SAPDatasphere_MCPServer)
– ID:任意(例:sap-datasphere-mcp-server)
– Path:任意(例:/mcp-server-datasphere)
5. ツール(APIエンドポイント)を選択します。インポートされたAPIのエンドポイント一覧が表示されます。
MCPサーバーに含める(JWDから利用可能にする)ツールを選択して追加します。
6. 設定を確認し、MCPサーバーを保存・デプロイします。
STEP 5 SAP Integration Suite で MCP サーバーのバックエンド認証を設定
作成したMCPサーバーがDatasphereにアクセスする際の認証設定を行います。Step 3で作成したSecurity Materialを紐づけます。
1. MCPサーバーの「Edit」ボタンから設定画面を開きます。
2. 「Policy」タブを選択し、「HTTP」をクリックします。
3. 画面下部「Connection」タブで、Authentificationを「OAuth2 Client Credentials」に設定し、Credential NameにStep 3で作成したSecurity Materialを入力します。
画面上部の「Save」ボタンで設定を保存し、「Deploy」ボタンでMCPサーバーを再デプロイします。デプロイが完了したことを確認します。
STEP 6 Developer Hub で MCP サーバーを公開
作成したMCPサーバーをDeveloper Hubに公開し、Joule Work Desktopから接続するための情報(URL・Key・Secret)を取得します。
1. Developer Hubにアクセスします。
2. 「Admin Center」→「Content」を選択します。
3. 「Manage Content」ページでBusiness SystemとしてIntegration Suiteを選択します。
STEP 5で作成したMCPサーバーを選択し、「Create Product」をクリックします。
4. MCPサーバーのProductを作成し、「Publish」ボタンから公開します。(少し時間がかかります)
Name:任意(例、SAP Datasphere Data Access MCP Server)
ID:任意(例、sapdatasphere-dataaccess-mcpserver)
5. 作成したProductで「Subcscribe」ボタンからAgentのためのSubscriptionを作成します。
6. Subscribeが完了すると、以下の接続情報が生成されます。Step 7で使用するためメモします。
– Key(Client ID)
– Secret(Client Secret)
MCPサーバーのURLはProductから確認できます。Step 7で使用するためメモします。
STEP7 Joule Work Desktop への追加・動作確認
最後に、作成したMCPサーバーをJoule Work Desktopに追加し、実際に動作確認を行います。
1. Joule Work Desktopの左メニューの「Extensions」を選択します。「+ New」→「Add Connector」をクリックします。
2. Step 6で取得した接続情報を入力します。
– URL:MCP Server URL
– ID(Key):Step 6で取得したKey
– Secret:Step 6で取得したSecret
3. 接続情報を保存すると、Connectorが追加されます。チャット画面でConnectorを有効化するように依頼します。(承認画面がポップアップされるので承認します)
4. 動作確認
チャット画面でDatasphereに関する質問を入力します。(例、「利用可能なスペースの一覧を取得してください。」)DatasphereのOData APIが呼び出され、アクセス可能なスペースの一覧が返却されれば、設定は成功です。
上記の例では、7つのスペースが正常に返却されており、Joule Work DesktopからDatasphereのデータにアクセスできていることが確認できます。
データの分析に関する質問をすると、JouleがDatasphereのデータにアクセスし、分析結果を返してくれます。
まとめ
本ブログでは、SAP Integration Suite の MCP Gateway 機能を使って、SAP Datasphere の OData API をカスタムMCPサーバーとして公開し、Joule Work Desktop から利用する手順を解説しました。
Integration SuiteのMCP Gateway 機能を利用することで、エンタープライズグレードのセキュリティやガバナンスを備えたMCPサーバーを作成することができ、安全にAIから利用できます。
また、今回はDatasphereの分析モデルにアクセスしデータを取得しましたが、Datasphereの分析モデルでは以下のメリットを享受しながらAIでデータを利用できます。
- 集計済みデータで転送量を削減 ディメンション×メジャーで集計済みのデータが取得できる。AIがそのまま可視化・分析に使えるサイズに整形されている。
- 非累計値(Non-Cumulative)の正確な集計 在庫量・ヘッドカウントのような「単純に足し算できない指標」も、時点ベースで正しく集計できる。生データをAIに渡しても正確に計算できないケースをモデル側で吸収できる。
- ビジネスロジックが埋め込み済み 制限メジャーや計算メジャーなど、現場のルールをモデルに組み込んであるため、AIへの追加指示なしに正しい定義でデータが渡せる。
- セマンティック層による文脈理解の向上 フィールド名やラベルがビジネス用語(日本語含む)で定義されているため、AIがデータの意味を正確に把握しやすい。
- データアクセス制御の一元管理 スペース・ロールに基づいたアクセス制御がモデル側で適用されるため、MCPサーバーが生テーブルを直接公開するより安全
※本手順では検証目的でClient Credentials(Technical User)による認証を使用しましたが、本番環境ではSAML Bearer Assertionによる認証を採用することで、よりセキュアな構成を実現できます。
SAP Analytics CloudのJoule Agentや、Joule Studio2.0などが正式リリースされるまでの期間も、本手順を活用することで、今すぐJouleを使ったAIデータ分析を開始できます。ぜひお試しください。
近年、生成AIを活用したデータ分析・レポーティングへの関心が急速に高まっています。SAPにおけるAIを使ったデータ分析・レポーティングのアプローチとして、主に2つの方向性が考えられます。SAP Analytics Cloud の Joule Agent によるレポート作成・分析 ※2026年末にかけて順次リリース予定Joule Work を利用したオンデマンドレポーティングSAP Analytics Cloud の Joule Agent のリリースを待たずに今すぐAIを活用したデータ分析を試したいお客様は、Joule Work Desktop からSAP Business Data Cloud(BDC)/ SAP Datasphere にアクセスすることで、オンデマンドレポーティングを実現できます。※Joule から SAP Business Data Cloud のデータプロダクトを直接クエリする機能も今後リリース予定ただし、現時点でJoule Work Desktop からSAP Business Data Cloud のデータにアクセスするには、MCPサーバー(Model Context Protocol Server)を利用し、SAP Datasphereにアクセスする必要があります。SAPでは、エンタープライズグレードのセキュリティ要件・ガバナンス要件を満たした形でMCPサーバーを構築するため、以下の2つの方法を推奨しています。参考:Third Party MCP Server Access to SAP Solutions on BTP Joule Studio によるMCPサーバーの作成 ※リリース予定 SAP Integration Suite によるMCPサーバーの作成(MCP Gateway機能の活用)本ブログでは、SAP Integration Suite を使ったカスタムMCPサーバーの作成方法を作成し、Joule Work Desktop からSAP Datasphere のデータにアクセスして分析を行う手順を解説します。Joule Work Desktop によるオンデマンドレポーティング全体像 Joule Work Desktop によるオンデマンドレポーティング利用イメージ 設定手順設定は以下の7ステップで行います。1. SAP Business Accelerator Hub から OpenAPI Specificationのダウンロード2. SAP Datasphere OAuthクライアント作成3. SAP Integration Suite で Security Material を作成4. SAP Integration Suite で MCP サーバーを作成5. SAP Integration Suite で MCP サーバーのバックエンド認証を設定6. Developer Hub で MCP サーバーを公開7. Joule Work Desktop への追加・動作確認【システム要件】本手順を実施するには、以下の環境・権限が必要です。- SAP Integration Suite - Integration Cell Runtime が「Active」状態であること- SAP Datasphere - OData API でアクセス可能な分析モデルが存在すること - 管理者権限(OAuthクライアント作成用)- SAP Joule Work Desktop(アクセス可能なユーザーアカウント)【認証に関する注意事項】本手順では、検証目的で Client Credentials(Technical User) による認証を使用して設定します。本番環境での利用には、API Policyの要件を満たすため SAML Bearer Assertion による認証を推奨します。SAML Bearer Assertionによる認証設定については、SAP Community Blog – Integrating with SAP Datasphere Consumption APIs using SAML Bearer Assertionを参照してください。STEP 1 OpenAPI SpecificationのダウンロードSAP Datasphere の OData API(Consumption API)の OpenAPI Specification(JSON形式)をダウンロードします。このファイルは後のStep 4でMCPサーバーを作成する際に使用します。手順:1. SAP Business Accelerator Hub にアクセスします。「SAP Datasphere」を検索し、「Consumption」APIを開きます。2. 「API Resources」セクションの「API Specification」タブから「OpenAPI JSON」のダウンロードアイコンをクリックし、JSONファイルを保存します。 STEP 2 SAP Datasphere OAuthクライアント作成Integration SuiteのMCPサーバーがDatasphereにアクセスするための OAuth クライアントを作成します。1. SAP Datasphere の左メニューから「セキュリティ」→「システム」→「管理」→「アプリ統合」タブを選択します。「OAuthクライアント」セクションで、Token URLをメモします。(後のStep 3で使用します)2. 「設定済みクライアント」セクションの「+」ボタンをクリックし、新規クライアントを作成します。3. 新規OAuthクライアントを作成します。クライアント名を入力します(例:MCP Server )。「目的」は「技術ユーザー(Technical User)」を選択し、技術ユーザーの名称(例:Technical User for MCP Server )とMCPサーバーを利用してアクセスするスペースに対応するロールを割り当てます。4. 「追加」ボタンからクライアント作成後、OAuthクライアントIDとシークレットを確認してメモします(Step 3で使用)。STEP 3 SAP Integration Suite で Security Material を作成Integration SuiteからDatasphereにアクセスするための認証情報(Security Material)を登録します。1. Integration Cell Runtimeの確認Security Materialの作成前に、Integration Cell Runtimeが有効化されていることを確認します。Integration Suite にログインし、左メニューから「Settings」→「Runtimes」を選択します。「Integration Cell」が「Active」状態であることを確認します。2. Security Materialの新規作成左メニューから「Monitor」→「Integrations and APIs」を選択します。「Manage Security」セクションの「Security Material」を開きます。3. 右上の「Create」ボタンをクリックし、タイプとして「OAuth2 Client Credentials」を選択します。Step 2でメモした情報を入力します。- 名前:任意(例:Datasphere_Technical_User)- Runtime:Cloud Integration and Integration Cell- Token Service URL:DatasphereのToken URL- Client ID:DatasphereのClient ID- Client Secret:DatasphereのClient Secret 入力後、「Deploy」をクリックしてデプロイします。STEP 4 SAP Integration Suite で MCP サーバーを作成Step 1でダウンロードしたOpenAPI Specificationを元に、MCP サーバーを作成します。1. 左メニューの「Design」→「Integrations and APIs」を開きます。新規でIntegration Packageを作成、またはMCPサーバーを作成したいIntegration Packageを選択します(今回は新規に作成します)。 2. MCPサーバーの新規作成Integration Package内で「Artifacts」タブから「Create」→「MCP Server」を選択します。3. MCPサーバーの作成方法を選択する画面が表示されます。「Import from OpenAPI Specification」を選択します。今回はStep 1でダウンロードしたDatasphereの OData APIのOpenAPI Specificationを使用します。 4. OpenAPI SpecificationのアップロードとベースURLの設定を行います。Methodとして「Upload」を選択し、Step 1でダウンロードしたOpenAPI JSONファイルをアップロードします。- Base URL:DatasphereのベースURLを入力します。(例:https://[テナント名].hcs.cloud.sap)- Name:任意(例:SAPDatasphere_MCPServer)- ID:任意(例:sap-datasphere-mcp-server)- Path:任意(例:/mcp-server-datasphere) 5. ツール(APIエンドポイント)を選択します。インポートされたAPIのエンドポイント一覧が表示されます。MCPサーバーに含める(JWDから利用可能にする)ツールを選択して追加します。6. 設定を確認し、MCPサーバーを保存・デプロイします。STEP 5 SAP Integration Suite で MCP サーバーのバックエンド認証を設定作成したMCPサーバーがDatasphereにアクセスする際の認証設定を行います。Step 3で作成したSecurity Materialを紐づけます。1. MCPサーバーの「Edit」ボタンから設定画面を開きます。 2. 「Policy」タブを選択し、「HTTP」をクリックします。 3. 画面下部「Connection」タブで、Authentificationを「OAuth2 Client Credentials」に設定し、Credential NameにStep 3で作成したSecurity Materialを入力します。 画面上部の「Save」ボタンで設定を保存し、「Deploy」ボタンでMCPサーバーを再デプロイします。デプロイが完了したことを確認します。STEP 6 Developer Hub で MCP サーバーを公開作成したMCPサーバーをDeveloper Hubに公開し、Joule Work Desktopから接続するための情報(URL・Key・Secret)を取得します。1. Developer Hubにアクセスします。2. 「Admin Center」→「Content」を選択します。 3. 「Manage Content」ページでBusiness SystemとしてIntegration Suiteを選択します。STEP 5で作成したMCPサーバーを選択し、「Create Product」をクリックします。 4. MCPサーバーのProductを作成し、「Publish」ボタンから公開します。(少し時間がかかります)Name:任意(例、SAP Datasphere Data Access MCP Server)ID:任意(例、sapdatasphere-dataaccess-mcpserver) 5. 作成したProductで「Subcscribe」ボタンからAgentのためのSubscriptionを作成します。6. Subscribeが完了すると、以下の接続情報が生成されます。Step 7で使用するためメモします。- Key(Client ID)- Secret(Client Secret) MCPサーバーのURLはProductから確認できます。Step 7で使用するためメモします。STEP7 Joule Work Desktop への追加・動作確認最後に、作成したMCPサーバーをJoule Work Desktopに追加し、実際に動作確認を行います。1. Joule Work Desktopの左メニューの「Extensions」を選択します。「+ New」→「Add Connector」をクリックします。2. Step 6で取得した接続情報を入力します。- URL:MCP Server URL- ID(Key):Step 6で取得したKey- Secret:Step 6で取得したSecret 3. 接続情報を保存すると、Connectorが追加されます。チャット画面でConnectorを有効化するように依頼します。(承認画面がポップアップされるので承認します) 4. 動作確認チャット画面でDatasphereに関する質問を入力します。(例、「利用可能なスペースの一覧を取得してください。」)DatasphereのOData APIが呼び出され、アクセス可能なスペースの一覧が返却されれば、設定は成功です。上記の例では、7つのスペースが正常に返却されており、Joule Work DesktopからDatasphereのデータにアクセスできていることが確認できます。データの分析に関する質問をすると、JouleがDatasphereのデータにアクセスし、分析結果を返してくれます。まとめ本ブログでは、SAP Integration Suite の MCP Gateway 機能を使って、SAP Datasphere の OData API をカスタムMCPサーバーとして公開し、Joule Work Desktop から利用する手順を解説しました。Integration SuiteのMCP Gateway 機能を利用することで、エンタープライズグレードのセキュリティやガバナンスを備えたMCPサーバーを作成することができ、安全にAIから利用できます。また、今回はDatasphereの分析モデルにアクセスしデータを取得しましたが、Datasphereの分析モデルでは以下のメリットを享受しながらAIでデータを利用できます。集計済みデータで転送量を削減 ディメンション×メジャーで集計済みのデータが取得できる。AIがそのまま可視化・分析に使えるサイズに整形されている。非累計値(Non-Cumulative)の正確な集計 在庫量・ヘッドカウントのような「単純に足し算できない指標」も、時点ベースで正しく集計できる。生データをAIに渡しても正確に計算できないケースをモデル側で吸収できる。ビジネスロジックが埋め込み済み 制限メジャーや計算メジャーなど、現場のルールをモデルに組み込んであるため、AIへの追加指示なしに正しい定義でデータが渡せる。セマンティック層による文脈理解の向上 フィールド名やラベルがビジネス用語(日本語含む)で定義されているため、AIがデータの意味を正確に把握しやすい。データアクセス制御の一元管理 スペース・ロールに基づいたアクセス制御がモデル側で適用されるため、MCPサーバーが生テーブルを直接公開するより安全※本手順では検証目的でClient Credentials(Technical User)による認証を使用しましたが、本番環境ではSAML Bearer Assertionによる認証を採用することで、よりセキュアな構成を実現できます。SAP Analytics CloudのJoule Agentや、Joule Studio2.0などが正式リリースされるまでの期間も、本手順を活用することで、今すぐJouleを使ったAIデータ分析を開始できます。ぜひお試しください。 Read More Technology Blog Posts by SAP articles
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